FC2ブログ

釈迦力狸

日々鍛錬する狸の話

ツールド沖縄レース編

今年のメンバーも色々なチャンピオンが出揃い過去最高のハイレベルな展開が予想される。

目標は怪我なく今まで積み上げてきたものを最強のメンバー相手に発揮してレースをとことん楽しむこと。結果として最高のリザルトを残したい。

07時27分レーススタート。


©Makoto.AYANO/cyclowired.jp


序盤は逃げに乗るつもりもないのでウォーミングアップ区間。結構な人数が先行していくのを見送り。

今年の序盤はこの数年の中で最も安全に進んでいく。落車が一度もなかったのは初めてかもしれない。参加人数を絞った効果は大きい。

体調は鼻水が止まらず万全とは言えないが、まあなんとかいけそうかなという感じ。この影響で後半どう崩れるかはまったく予想できないので勝負が始まるまでは大人しくしているしかない。

海岸線での聖水タイムはいつもより人数多くて楽に集団に戻れる。

一回目のダムの登りはリラックスして最低限の力で体温める。私は超スロースターターで2時間くらい走らないと調子が出てこないので私にとって沖縄の前半区間はホントちょうど良い。

ピークを越えて下りに入り、前走者から離されていくヒトの後ろに入ってしまったりで無駄に追い付くのに苦労する。

今回の難関は実は登りではなく下りだった。

北側海岸線は逃げとのタイム差がやや大きいために例年よりも早い気がする。

途中ペースアップのために井上マグロミサイルと高岡VENGE砲が発射され、そのスピードが尋常ではなく中切れ埋めるのに足を使わされる。本人はそんなにあげていないと言うが結構なダメージを負った。

奥の登り前が最後の聖水タイムなので万全で後半迎えるために念のために出しておく。

西側海岸線を過ぎて二回目のダム登りへ。

ここでは油断してやや集団真ん中で入ってしまったがやけにペースが早い気がする。

これは動きがあるなと感じて前方まであがると井上マグロミサイルが発射されてそれに反応した高岡さんと二人が30mほど先行している。

今年はここで始まるかと腹括る。

森本さんと岡君が動いたのが視界に入る。
集団は追えそうもないので、すぐさま集団をパスして一気に前に上がりジョイン。

結果的にはここで動けるかどうかが勝負の命運を分けた一段階目となった。これに反応する脚と嗅覚がないと沖縄では戦えない。


続々と力ある選手だけが追い付いてきて13名くらいまで一気に絞られる。結局いつものメンバーが大多数。このメンバーで普通に行けばもはや後ろから追いついてくることはないだろう。

ここからの下りでまたもやアクシデント。

左のコンタクトレンズが外れて飛んでいった。今まで一度も外れたことないのに、今年は色々起こる。

高岡さんが相変わらずVENGEでガンガンに下りを攻めていくなか、視界がぼやけるためにかなり慎重に下らざるを得ず、この小さな無駄足の積み重ねに徐々に足を削られていく。

毎年の勝負どころとなる学校坂は井上マグロ牽きで進んでいくがここでの脱落者はいなかったか。

学校坂登りきったところから本番が始まる。


©Makoto.AYANO/cyclowired.jp

全員ビッグレースのチャンピオンの肩書きを持つ10名でまさしく市民レーサー最強決定戦が幕を開ける。


高岡さん(ミスター沖縄5回優勝)
紺野君(昨年沖縄チャンプ)
岡君(昨年ニセコチャンプ)
中村君(乗鞍二連覇中)
(4名はVENGE)
井上マグロさん(全日本選手権8位、富士チャレ優勝他被害者多数の無限体力、TARMAC)
森本さん(乗鞍前チャンプ、山の神、YONEX)
西谷さん(BR1小川村優勝(私にはそのイメージが鮮明)、FOCUS)
持留君(ツールド北海道優勝、CERVELO)
石井君(実業団リーダージャージ、TREK)
その辺にいるサラリーマンの私(COLNAGO)

一応私は西谷さんと高岡さんに続いて三番目の年齢かな。

YOUTUBEでこの辺りはたぶん流れていなかったと思うがラスト60kmからの攻防が毎年の最大のハイライトである。

それにしてもこのワクワク感みたいなのは何なのかというくらいに楽しい。この瞬間を味わう為に一年走っているのかもしれない。

最強の相手達とどこまでやれるのか。トップアマだけの生身の意地のぶつかり合い。最高に痺れる。

高岡さんが登りで細かくアタックをかけ、井上マグロミサイルが下りでペースをあげたりと一昨年と、同じような展開。

私は二人の力を熟知しているので自分の体力をいかにマネジメントするかに集中。自分の状態がたとえ100%だとしても、高岡さんとマグロさんのフィジカルには敵わない。というよりも、二人の今日の仕上がりぶりは、JPTのプロレーサーでも同じ条件で走ったら勝てる人間は10名といないだろう。

この二人の力が突出しているというのもあるが、この走り方はこのお二方のスタイルで残り8名はそこにいかに合わせていくかというレース展開。処刑する2人と処刑される8名という感じでレースは動いていく。そして時折森本さんが登りで処刑する側に回る。

私の状態としては150km時点くらいで既に腰が痛いというか重い。確実に疲労してきている。同じような走り方をしたら自爆にしかならないのは明らかである。冷静に他のメンバーの状態も確認しながら走る。ただし絶対ローテは飛ばさない。

高江からのアップダウンの攻防はそこそこ激しかったが、脱落者はなく東村の海岸線へ。スプリントポイントは誰も興味を示さず中村君が先頭通過。その後のマタヨシコーヒー坂をそこそこのハイペースで越えて慶佐次の補給所も強烈な動きはなく全員で超えていく。

続いてやってくる有銘の登り一段目でセレクションがかかり、おそらく西谷さんと石井君が力尽きたか。西谷さんは年齢考えたらバケモノのような強さで終始積極的に牽引されたりと凄さを感じました。

一度下り天仁屋からの二段目は勾配が緩い区間なので、やや油断してしまい、高岡さん、井上さん、森本さんの行かせてははならない3名がペースをあげており気づいたら20mくらい離れてしまう。ここは耐えどころなので、ダンシングでなんとか距離を縮めて耐えきる。この時は本日ベスト3に入るしんどさだった。ここで前回チャンプの紺野君がかなりきつそうで岡君はここで力尽きたか。
一度は4名になるが持留君、中村君、紺野君が再合流。


©Makoto.AYANO/cyclowired.jp

次の下りの工事区間で井上さんがコースアウトしていくのが目に入ったが、しばらくして追いついてきた。さすがのマグロ無限体力もこれには結構足を使ったとのこと。

続いて短い丘を一つ越え、カヌチャリゾート坂。ここも緩いのでそう動きはないだろうと思っていたが、高岡さんと井上さんは攻め続けピークに向けてダンシングであげていく。
STRAVA見たら数多くのプロ選手が走る中ランクインするようなタイムで超えていく。

ここでおそらく紺野君が力尽きた。パンクトラブル抱えながらここまでしっかり走る姿はさすがとしか言いようがない。

ここから羽地までしばらく平坦が続き生き残った6名でローテを回していく。


©Makoto.AYANO/cyclowired.jp

中村君が何度も切れては復活するを繰り返していたがさすがに厳しそうだ。持留君は私と同じくらいの状況か。森本さんは、羽地で一発狙ってくるか。高岡さんと井上さんはまだ仕掛ける余裕はあるのかと考えながら羽地の登りに突入。

登りに入ると爆発的なペースではなく、淡々と刻んでいくペースで進む。森本さんが動くかと思ったが動く足が残っていなかった様子。中村君が前半で脱落。

高岡さんのダンシングのペースで進んでいく。後ろで見ているとえげつない絞れた足になっているし、この局面でもアウターで登っているし。

トンネルを越えて羽地の勝負ポイントの激坂ポイント。昨年はここで紺野君に抹殺されてしまったが、昨年よりも余裕をもって此処まで来ている。高岡さんが一番きついポイントで強烈に仕掛けてくる。YouTube放送見ていた方もここが一番のハイライトだろう。

©Makoto.AYANO/cyclowired.jp

本当にきついがここは1年間でもっとも頑張らなければならない時間。

一撃目を耐える。森本さんと持留君がこの動きで脱落。

井上さんも高岡さんもかなりきつそうに見えるが、当然私のほうが瀕死状態にある。

一段目に続いて2段目で井上さんの攻撃。そしてもっともきつい3段目で高岡さんが力を振り絞ってダンシングで攻撃してくる。


©Makoto.AYANO/cyclowired.jp

これはもう今年の中で一番きついシーンだった。ニセコの時はここまで追い込まれてはいない。追い込んできているのはすべて高岡さんでチャンピオンは偉大過ぎる。

しかしここは耐えるという一言のみ。忍耐力は長年のサラリーマン生活で培っている。

自転車は足が痛かろうが、痙攣しようが、ありとあらゆる筋肉を動員して無理やりペダルを回せば進むのである。

ただの何の取柄もない普通のサラリーマンが自転車界最強の二人の攻撃を耐えきりピークを越える。

後ろが追いついてくることは絶対にないので完全に3人の戦いとなった。

この展開は2008年の高岡さんと武井さんの3人の戦いに似ているとふと思った。

ほっとしたのも束の間、ここからも二人の攻撃は続く。

羽地の下りのトンネルで、まずは井上マグロ砲が発射。2mが命取りになるのですぐに埋める。


©Makoto.AYANO/cyclowired.jp

続いて高岡VENGE砲が下りで強烈にあげる。私はコンタクト外れて左側の視界が極めて悪いのもありコーナーを攻めれない。おまけに羽地の最後はRがきつい左コーナーで真ん中にグレーチングもあるので余計に無理ができず、ここでも無駄足を遣わされる。
この細かい疲労が確実に足を削る。

58号線まで下りてきて、いよいよ残り5km。

昨年の反省で最終局面で私以外のスプリンターが残っていれば、イオン坂でアタックをしてやろうというのはプランの中にあったが、この二人の場合は私がアタックするのは得策ではない。おそらく井上さんがアタックしてくるだろうと予測していたので、それを封じることに集中。

案の定井上さんは動く。

読んでいた動きとは言え、こちらも限界が近くなっており、右足の内転筋が強烈に悲鳴を上げる。レース前日に不安視していたものがこの最終局面で爆発するか。


©Makoto.AYANO/cyclowired.jp

そしていま思えば、この井上さんの動きはつい反射的に反応してしまったが、井上さんとは同志みたいなものだし、私が反応するのではなく、高岡さんに反応してもらえればまた違う展開になっていたかもしれない。

イオン坂を下りてきてラストの1km。

内転筋の痙攣もいったんおさまり、過去のツールド沖縄の最終局面の中では最も勝つ確率が高いであろう展開でこの局面を迎えた。

YouTubeの中継でも私のほうにスプリント力があると解説されていたが、それはクリテリウムとかの話であって、200km走ってきてからのスプリントはまた別であり、可能性は五分五分だと思った。

井上さん、高岡さん、私の順で距離を消化していく。
私は高岡さんの後ろから刺し込む腹を決めた。スプリントは最近やっていないが彩湖朝練を活かすときか。

ラスト300mくらいで井上さんが先にかける。高岡さんがそれに合わせて腰を上げた。

この初速で離されなければ勝てると踏んでいた。

初速への対応は成功。

そして高岡さんに並びかける。この瞬間までは勝ったと思った。ニセコとの2冠が頭を一瞬よぎった。


©Makoto.AYANO/cyclowired.jp

しかしここでのミスは早く並びかけ過ぎたこと。残り150mあったように思う。高岡さんが並びかけてから思いのほか失速しない。っていうか私が伸びない。(あとでデータ見たら850wしかでていなかった・・・)

ここは競り合うしかない。

残り100mを切りまさかの右足の内転筋が強烈な痙攣。


©Makoto.AYANO/cyclowired.jp

右足のペダリングが一瞬崩れてしまい、サドルに腰を下ろさざるを得なくなり、勝負あり。

わずかが届かなかった。

下りの無駄足や細かいアタックへの反応が細かくダメージを蓄積し最後のヒト踏みをさせてくれなかった。

2016年5位、2017年2位、2018年5位、2019年2位。。。

正直に言えば悔しくないわけはない。

でもチャンプは強すぎた。あれだけ自ら動いて、いろんなチャンピオンを全員ほぼ一人で抹殺して、最後にスプリントできる足を持っているのだから、完敗としか言いようがない。

高岡さん、井上さんはじめ、日本最強のレーサー達と最高のレースができたことが何よりもうれしかったかな。




一緒に走っていただいた皆様最高の時間をありがとうございました。

今年の沖縄も楽しかった。

スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する