2020/07/05
某技術者が自作したホイールに乗ってみた
今朝山奥のコンビニにいくと、10年来の友人である某技術者からこのホイールに乗って正直な感想を教えて欲しいと依頼を受けた。酷評して駄目なところを教えて欲しいと。
某技術者は挑戦を続ける妥協しない男だ。
自身のこれまで積み上げた機材研究の成果を妥協なく実物にしたいといういかにも技術者魂溢れる挑戦の成果物。
それに応えるべくウソ偽りなくホントに感じたことを書いておこう。
私のなかではこの10年間でカンパにシマノにマビック、ZIPPやら何本も使って、結局実戦でバランス良くガンガン使えるのはROVAL一択じゃないかと言うのが今のところの結論。
実はROVALは32mm、40mm、50mm、64mmすべて保有している。
練習はカンパのBORA ONEでレースはROVALのリムハイトの高さを変えて使い分けている。
お気に入りはいまは廃盤となっている40mmが個人的には一番バランスが良くて好きで沖縄でも実は使っている。
直近頻繁に乗っているこの二社との相対的な比較から感じたことを書こう。
1#登り
重量1244gはクリンチャーとしては最軽量。
登りにおいて軽さは正義。この重量出すのは相当の苦労がないとできない。リムハイト45mmでこの軽さは凄い
漕ぎ出しの一踏み目で「あっ、軽!」とわかってしまうレベル。ここはROVAL CLX32より軽いと思った。
軽いホイールは剛性足りずにフニャッっとするものもあるが、踏んだらたわむようなこともなく、ダンシングしたらよれるとかもない。
軽い分だけ楽に登る。
登りは文句のつけようがなかった。
2#掛かりかた
ロードレースやっているとアタックやスプリントなど急激に力を入れて加速しないといけないシーンが必ずやってくる。そのときの反応の良さというのは凄く大事な要素である。
もっさり重たいホイールだとよっこらしょっという感覚でワンテンポ遅れるし、軽すぎるホイールだとうまく後輪過重しないと空転することもある。
このホイールの掛かり方は極めてナチュラルというのが正直な感想。踏んだら踏んだ分だけ加速するという感覚。もっさり感はないし、軽量ながら軽すぎて扱いづらいとかも感じない。
自然に加速する感覚でスプリントにも充分使えると感じた。特にニセコのような登りスプリントゴールには最適かもしれない。
3#平坦
世の中に軽いだけのホイールは数多くあり軽ければ登りは登れるが平坦は苦しむホイールは数多く存在する。
このホイールは、平坦下りでVENGE2台と普通にローテしても遜色感じることはまったくなく遅れてしまう感覚もまったくない。
さすがに1244g軽量ホイールがROVALの50mm以上に平坦巡航や下りで上回るということはないが必要充分なレベルを満たしている。
BORA ONEより間違いなく早い。
4#振動吸収
このホイールで一番凄いなと思ったのはこの要素である。
私は路面からの突き上げに敏感でこれをいかに少なくするかは大事だと思っている。シクロクロスをやる人ならわかると思うが、路面の振動をいかに吸収しながら走るかというのは速さにも直結する。
振動吸収性が高く長時間乗っても疲れにくい自転車というのが好きで一昔前のsuper six evoを未だに好んで乗るのもこの機能があるからに他ならない。
乗り心地重視でチューブレスタイヤもたまに使うけどタイヤのエア抜け問題や出先でのトラブル対応考えると最近はクリンチャータイヤを6bar前後にして乗っていることが多い。
そしてスポークの素材としてカーボンスポークは駄目だと思っていた。
数年前にマビックのカーボンスポークのホイールを使っていたけども、軽いだけで地面からの突き上げがきつく乗り心地は酷いし、おまけに平坦が進まないというのを経験しているので印象が凄く悪かった。(あれはスポークの構造上の問題があったけど。)
このホイールに乗ってみた感覚として凄く乗り味がマイルドなのだ。突き上げのきつさをまったく感じない。
カーボンの持つ振動減衰をスポークにうまく使えているはのではないだろうか。
今日は7.2barの空気圧が入っていたが、アスファルトの凸凹とかを通過するときの振動が5.5barくらいのチューブレスタイヤに乗っているような感覚。
これはかなり驚き。ガツンと来る振動を予測してたら意外にサーッと地面の上を通過してしまう。
ちなみにタイヤはGP5000のCLにブチルチューブでいつも通りの仕様である。
何より一番よかったのは最近長時間乗ると後半から腰痛に悩まされていたのが今日はほぼノーダメージで帰って来れて、170km越えてから登る最後の難関峠を単独登坂で過去最速タイムで登りSTRAVA上のKOMを叩き出している。
最後まで足が残るという要素は沖縄等には非常に大事であり普通に沖縄で使ってみたいと思ってしまった。
長時間インプレしての総論
・長時間のアップダウンを多く含むレースにおいてはROVALを越える存在だと思われる。特に登りが多いほど。
・ヒルクライムにおいてもディスクホイールならほぼベストな選択肢になりうると思われる。
・平地クリテリウムならCLX50とか64使った方が良いかな。
ちなみに一ヶ月、二ヶ月後の耐久性は不明である。
ボロクソに言って欲しいと言っていたので、先入観なく乗って欠点全部フィードバックしてやろうと思ったのに、あまり欠点が出てこず無念である。
ちなみにまだ開発途上で改良されるらしい。

インプレマシンはTARMAC SL6
京都の名医でスーパーアスリートである吉岡先生から伝承されたよしおかクリニック号に、チューンナップの達人である工房ハイランダー村上社長が手を加えた魔改造マシン。
そこにITホイールが加わることで関西が産んだ最高傑作という自転車になるのか。
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コメント
マビックなどとは組み込み方が違うという事ですかねー。
タイヤとチューブは何使ってたんですか?ラテックスにGP5000?
よろしければ教えてください。
2020/07/07 06:28 by ようへー URL 編集
カーボンスポークはカーボンの持つ振動減衰をうまく使っているなーという感じでした。
2020/07/07 08:02 by まつけん URL 編集